株の取引はミリ秒単位の差で莫大な損得が発生する――。ニューヨークで株の高頻度取引を進めるヴィンセントと従兄弟のアントンは、その遅延を減らすべく、システム構築に躍起になっていた。ヴィンセントは、カンザスにあるデータセンターからニュージャージーのニューヨーク証券取引所までの直線距離1600キロに光ケーブルを敷くことを思いつく。これが可能になればアクセス時間が1ミリ秒の短縮となり、年間500億円以上の収益が見込めると試算するが……。