【長崎:安元 哲男様】

Q1 撮影現場を見学されての感想や、監督・俳優の印象など感想

見学させていただいたシーンは、実際の作品ではおそらく5分もないであろうが、その100倍近い時間をかけて、スタッフたちが試行錯誤を重ねながら作り上げていく。その真摯な姿に、ある意味では映画以上に感銘を受けた。
 そのシーンでは、照明効果に非常に力を入れていたと思われ、照明監督の動きや指示が活発であった。その中でキャメラにかじりつく撮影監督、演技をはじめ全体に目を配る監督、そして彼らを支えるスタッフたちの動きは、これもまたひとつの物語であると思った。
 このような真摯な姿勢の映画作りがある限り、日本映画が全盛期の勢いを取り戻し、世界に向けて発信できる作品を生み出し続けることは可能であると思う。
撮影所では、大ベテランの山田洋次監督の下で、多くの若きスタッフたちが動き回っていたが、彼らの中からいずれ第二、第三の山田洋次や長沼六男が登場し、いずれ彼らが、「男はつらいよ」や「たそがれ清兵衛」に匹敵する作品を撮ったとき「『隠し剣 鬼の爪』への参加が、その原点であった」と言うときが来るのではなかろうか。
 そんな予感がする緊張感と創造の熱気のある現場であった。

Q2 映画『隠し剣 鬼の爪』への期待

 この映画は、おそらく日本映画を支えてきた撮影所が生み出した映画術の、ひとつの総決算になるのではないかという予感がある。大ベテランにして巨匠の山田洋次監督をはじめとするメインスタッフが、これからの日本映画を支える若手スターを使って、次の時代の日本映画への橋渡し的な作品となるのではないだろうか。
 そして山田洋次監督としても、重厚な時代劇2作品を経て、次の展開が期待される。
この映画は、おそらく山田洋次監督作品というブランドだけではなく、「時代の転換点にあるとき、人間が失ってはいけないものとは」というテーマによって、すべての人々にとって非常に重要な現代的なテーマがこめられているのではなかろうか。


【長崎:江森 孝則様】

Q1 撮影現場を見学されての感想や、監督・俳優の印象など感想

日本映画の熱き伝統技術=時代劇映画の匠たちの姿(大名屋敷・農家・商家のセット・数多くのチョン曲げやかつら)をちらっと見学できてラッキーでした。「たそがれ清兵衛」に続く、山田洋次監督の丁寧で静かな演出術が生み出すムードに満腹。

Q2 映画『隠し剣 鬼の爪』への期待

揺れ動く21世紀の日々の中で観る“むかしむかしのお話”なのに、どこか新しく温かみを感じる。激流の時代を生きる東北地方小藩の若者たちの姿は、自由なはずの現代の人々の不自由さを反映か?
2004年秋のお楽しみはここにある。




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