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![]() ![]() 傷ついたり、すりむいたりしながら、自分にぴったりの靴=幸せを見つけようと懸命に歩く女性を讃える作品 ローズ(トニ・コレット)とマギー(キャメロン・ディアス)は、靴のサイズと子供時代に母を亡くした悲しい思い出以外に、何ひとつ共通点のない姉妹。姉のローズは、フィラデルフィアの大手法律事務所に勤める弁護士。仕事に生きる彼女は、成功の人生を邁進しているかに見えたが、実は太めの体型にコンプレックスを持っていて恋愛にはつまずいてばかり。そんなローズとは対照的に、妹のマギーは男性の目を惹きつけて離さないゴージャスなルックスの持ち主。が、彼女が人に自慢できるのは、それだけ。資格も仕事も学歴もなく親しい友達もいない。高校卒業から10年経っても地に足のつかない生活を送っていた。それは、難読症を負っている自分に自信がないせいでもあった。 そのマギーが、ローズのアパートに転がりこんできた。高校の同窓会でしたたかに酔っ払った挙句、義母のシデルに実家から追い出されたのだ。おりしもローズは、上司のジムとの交際をスタートさせたところ。マギーに私生活をかき乱されるのは迷惑だったが、姉として行き場のない妹を放り出すわけにもいかないのだ。あとは1日も早く妹がまともな仕事に就き、自立してくれることを願うばかり。 その願いが通じたのか、ローズがシカゴへ出張中、真剣に職探しを始めたマギーは、ペット・ホテルのトリマーとして働き始めた。だが、仕事は大失敗、レッカー移動させられた車を取り返しに行った先で男に乱暴されかかったマギーは、不安と孤独からペット・ホテルの犬を無断でアパートに連れ帰ってしまう。 ローズが出張から戻ったのは、翌朝のこと。盗んだ犬、駐車違反の枷をはめられた車、散らかり放題のアパート。マギーのだらしなさを目の当たりにして怒り大爆発のローズ。そんな姉の態度にマギーは逆ギレ。腹いせにローズの留守中に訪ねて来たジムをベッドへ引っ張り込んだことから、姉妹の決裂は決定的なものになる。文字通りアパートからたたき出されたマギーは、わずかな私物とジムにねだった200ドルを手に駅へと向かった。 最初にマギーが買ったのは、ニューヨーク行きの切符。しかし土壇場で、フロリダに行き先を変更する。最近実家で発見したばかりのカードの贈り主を思い出したからだ。それはフロリダで引退生活を営む母方の祖母エラ(シャーリー・マクレーン)だった。マギーが6歳の時に亡くなった母も、再婚後は義母の尻に敷かれっぱなしの父も、ずっとエラの存在を秘密にしていたのだ。果たして、まだ見ぬ祖母はいまでもフロリダに住んでいるのか?若干の不安を覚えながら、マギーはディアフィールド・ビーチの駅に降り立つ。 幸いなことに、エラはまだ元気でリタイアメント・コミュニティの世話役をしながら暮らしていた。マギーの突然の訪問に驚きながらも、大喜びするエラ。娘の夫との確執から、娘の死後、孫たちとも絶縁してしまったことに罪悪感を抱く彼女は、過去の埋め合わせをするチャンスがめぐってきたと思ったのだ。 |
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だが、ほどなくその気持ちが裏切られる日がやって来る。エラの好意に甘えて毎日遊び暮らしていたマギーが、金を盗もうとして引き出しをかきまわしているところをみつけてしまったのだ。「ニューヨークで女優になりたいから3000ドルちょうだい」としらばっくれるマギーを、祖母として厳しく叱るエラ。「お金はあげない。給料を払うから仕事をしなさい」と言い渡されたマギーは、しぶしぶ施設内の介護の仕事を引き受けることになった。そこでマギーは盲目の大学教授と出会う。「本を読んでくれ」という教授の頼みに、難読症を負っているマギーは困惑するが、「勇気を出してゆっくり読め」と励まされ、エリザベス・ビショップの詩の朗読に挑戦する。その結果、最後まで読み通したばかりでなく、教授から詩の解釈を「100点満点」とほめられたマギーは、生まれて初めて胸の内側から自分に対する自信がわきあがってくるのを感じた。 この出来事をきっかけに大きく変わっていくマギー。教授ばかりでなく、周囲のシニアたちとも交流を深めていった彼女は、息子の結婚式に着ていく服に悩むレフコウィッツ夫人のために、代理で服を購入。そのセンスの良さが大評判になったことから、エラとチームを組んでショッピング代行業を始めることを、真剣に考え始める。 一方、フィラデルフィアのローズの周辺にも様々な変化が生じていた。マギーとジムの一件から法律事務所を辞めた彼女は、マギーが盗んだ犬がきっかけで犬の散歩サービスを開業。仕事漬けの日々から解放され、自分をみつめなおす生活を送るなかで、元同僚のサイモン(マーク・フォイアスタイン)と愛を育み、婚約にまでこぎ着ける。だが、ローズの心の中には、いまだにマギーの問題がしこりとなって残っていた。そのせいで、マギーに会いたがるサイモンとも仲違い。ふたりの結婚話は、暗礁に乗り上げてしまう。 ローズのもとに、エラからの招待状が届いたのは、そんなある日のことだった。マギーと同様、存在さえ知らなかった祖母の招きに驚きながらも、フロリダへ向かうローズ。そこで彼女は、さらなる驚きと遭遇することになる……。 |
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【監督】 カーティス・ハンソン『L.A.コンフィデンシャル』『8Mile』 【出演】キャメロン・ディアス、トニー・コレット、シャーリー・マクレーン 2005年アメリカ映画/1時間51分 【配給】20世紀フォックス映画 |
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